持寶庵のブログ

光明真言法にて、神佛へ感謝の御法楽、生きている方の滅罪と故人様・ペットちゃんの菩提を弔います。夢は保護猫ハウスを作ることです。町の行者です。霊感はありません。相互供養・相互禮拝。合掌

玉鏡 弍

宮坂宥勝 校註(1974)『假名法語集(第7刷)』、株式会社岩波書店、351頁〜352頁
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 それ眞言宗は大乘なり、種々のひみつありと申せども、中にも功德すぐれて貴きは、ひとへに光明眞言なり。これを唱ふる人は、惡事災難をのぞき、福壽增長、安穩快樂を蒙り、諸神諸佛は歡喜悅嘉したまひ、後世にはすみやかに成佛す。女人は變成男子速󠄁得成佛の利益あり。亡魂葬ひのためには、なをもつて功德すぐれたり。率󠄁都婆に書して墓所󠄁に立ぬれば、上は悲想天、下は無間奈落のくるしみを救ひ、たちまちに、其溶銅變じて八功德水の池となる。蓮華生じてあしをうけ、寶蓋いたゞきにとまり、その蓮飛がごとく、刹那に極樂に生じて、安樂を得るといへり。光明眞言をとなふる人は、一切の怖畏を除き、あるひは雷の難、疾病をものがるゝ事は、そだせんだといひし藥王呪にたとへたり。守にかくれば、邪魔外道もおそれをなす。そのゆへは眞言となへし行者の息風にふるれば、一切の畜類にいたるまで、苦果を解脫し、一佛地の界會に入。いはんや唱滿の人においてをや。くわしくは儀軌の中にみへたり。
「此眞言をとなへて、功德ふかき事は、日月は天に居し世界のやみをてらして、煩惱の闇をてらさず。今の光明眞言のごときに至りては、外には生死の闇を滅し、内には煩惱の業をのぞく」と、根來の覺鑁上人釋したまへり。

 此光明眞言は、先貪瞋癡の三毒をのぞく。內に寶珠のかたちあり、蓮華あり、光明あり、その臺月輪なり。然に寶はよく貪欲をのぞき、蓮華は水生にて、瞋恚の火を消󠄁し、光明は愚痴の闇障をてらすなり。これらの證文󠄁、大灌頂光明眞言の儀軌に明白なり。