持寶庵のブログ

光明真言法にて、神佛へ感謝の御法楽、生きている方の滅罪と故人様・ペットちゃんの菩提を弔います。夢は保護猫ハウスを作ることです。町の行者です。霊感はありません。相互供養・相互禮拝。合掌

玉鏡 参

宮坂宥勝 校註(1974)『假名法語集(第7刷)』、株式会社岩波書店、352頁〜353頁
「億」「文」の旧体字は表記出来ないため常用漢字を使用。


 光明眞言と彌陀の名号との、功德勝󠄁劣を對辨するに、阿彌陀如來一だいのうへの、淺略深祕のかはりあれば、眞言と名號との功德、大きにかはれり。そのゆへは、陀羅尼の功德は日月のごとしと說たまふ。そのうへ此眞言一ぺんとなふる功德は、百億無量の大乘經、おなじく法門陀羅尼を誦するにひとし。その功德最勝󠄁たりと、大日如來讚嘆したまふなり。

又徃生と成佛とは、格別の事なるを、おなじやうにおしやり、大にあやまれり。そのゆへは歡經の疏に見侍るにも、彌陀の名號をとなへての功德は、三心具󠄁足の念佛にても、徃生まではいたりぬれども、成佛は成がたし。いかにいはんや、三心なき人をや。故に、修雜不至心者、徃生千中無一《修雜不至心の者は、徃生すること千中に一だにも無し》と、善導和尚も徃生禮讚嘆にのべられたり。それのみならず、淨土の歡經に、三輩九品の徃生を說きたまへども、成はこれなし。又眞言となへて、成佛する事は、十方世界三世の諸佛みなこと/゛\く、祕密眞言の修行によりて、正覺を得ると、守護國經に釋迦如來も說かせたまへば、佛はなどか妄語はのたまはじ。光明眞言は、妄念不淨の心にても、となへさせたまはゞ、徃生はそのまゝ滿足し、信心堅固にとなふれば、速󠄁得成佛うたがひなし。されば末代の凡󠄁夫、不定をゑらばずとなへよと、大日如來すゝめ給ふ。證文󠄁儀軌にあきらかなり。

 業報差別經にいはく、「女人は佛法の藏なり、そしる人無間に墮すべし」とあり。又涅槃經の心によるに、「たとひすがたは女人なりとも、自身に佛の體性ありとしらば、女人すなはち男なり」と說き給ふ。それのみならず、地藏菩薩は婆羅門女といひし女人にていませしが、慈悲第一にして、ことに信心堅固なれば、菩薩にならせ給ふ。これまさに地藏本願經の大意󠄁なり。爰を以ておもふに、此婆羅門女も、十界輪圓、末代の女人も十界輪圓なれば、そのかはりなし。然れば、功德廣大の光明眞言、堅固にとなへさせ給はゞ、女人成佛する事、などかうたがひあらじとこそ。